「夏休みは何時間勉強すればいいのか」「数学にどれくらい時間をかければいいのか」は、毎年多くの受験生が悩む問題です。
答えは学年によってまったく違います。そして高3になると、何時間やるかよりも何をやるかのほうがはるかに重要になります。この記事では、学年ごとの勉強時間の目安と、高3の夏にやりがちな失敗を京大生の筆者が解説します。
- 高1・高2のうちにどこまで終わらせるのが理想か
- 学年別の夏休みの勉強時間の目安
- 高3の夏に一番やるべきこと
- 浪人生が夏に気をつけるべきこと
- 基礎が固まっていないのに過去問を解くのをおすすめしない理由
理想は高1・高2で大体の範囲を終わらせること
受験勉強として考えると、高1と高2のうちに大体の範囲を終わらせておくのが理想です。高3になってから新しい範囲を学んでいては、演習や過去問に使える時間が足りなくなるからです。
| 学年 | 目標 |
|---|---|
| 高1 | 数学と英語をしっかり終わらせる |
| 高2 | 数学と英語に加えて、国語・理科・社会まで5科目をそれなりに固める |
| 高3 | 志望校から逆算した計画で、固めた土台を仕上げる |
数学と英語は積み上げ型の科目で、身につけるのに時間がかかります。だから早い学年のうちに終わらせておきたいのです。
学年別:夏休みの勉強時間の目安
この目標から逆算すると、夏休みの1日の勉強時間(全科目の合計)の目安は次のようになります。
| 学年 | 1日の勉強時間の目安 |
|---|---|
| 高1 | 1〜2時間 |
| 高2 | 2〜3時間ぐらい |
| 高3 | 勉強できるだけするべき |
高1は、数学と英語を進めることに集中できれば1〜2時間でも十分に前に進めます。高2は理科や社会も固め始めるので、そのぶん時間が必要になります。
高3は時間の目安を決める段階ではありません。勉強できるだけするべきです。そのうえで本当に大事なのは、その時間を何に使うかです。
高3の夏は「何をやるか」がすべて
高3の夏休みは、受験生が一番まとまった時間を取れる時期です。ここで何をやるかによって、秋以降の伸び方が大きく変わります。
一番やるべきは「逆算して計画を立て、1か月実行する」こと
高3の夏に一番やるべきことは、特定の参考書や問題集を進めることではありません。次の流れを1か月やり切って、計画を立てて実行するという成功体験を生むことです。
ここでの過去問は、解くためというより、どんな問題が出るのかを見て自分との距離を知るためのものです。ゴールが分かれば、そこから逆算して今やるべきことが決まります。
夏休みで勉強の形をしっかり作っておけば、それ以降も同じやり方で走り続けられます。現役生であれば、ここでしっかりとスタートダッシュを切れるはずです。
「夏に過去問を解け」をうのみにしない
某塾などでは「夏休みに過去問を解きなさい」と言われることがあります。でも過去問をいつから解くべきかは、人によって違います。
- 過去問を解くのは、もっと遅くてもいいかもしれない
- 逆に、今から解き始めて20年分ぐらいやってもいいかもしれない
どちらが正しいかは、その人の今の実力と志望校によって決まります。ただ、1つだけはっきり言えることがあります。
基礎が固まっていないのに過去問を解くのはおすすめできない
全然基礎が固まっていない状態で過去問を解いても、ほとんどの問題に手が出ません。解説を読んでも、その解き方の土台になる基礎が抜けているので身につきにくく、志望校の大切な過去問を消費するだけになってしまいます。
過去問は、基礎ができたうえで志望校の傾向を知り、対策を立てるための教材です。基礎が固まっていないなら、高3の夏はまず基礎を固めることに時間を使うべきです。
基礎が固まっているかを確かめる
数学なら、網羅系参考書に載っている典型問題を見て、解き方がすぐに思い浮かぶかどうかが1つの目安です。思い浮かばない問題が多いなら、過去問より先に網羅系参考書で基礎を固めましょう。
左から入門問題精講、青チャート(チャート式 基礎からの数学)です。基本的な定義と典型問題を覚える段階で使う参考書で、使い方は解法暗記か理解か、受験数学の正解は「暗記→理解→暗記」で詳しく紹介しています。
どこから手をつけるか迷ったら、数学の参考書診断で今のレベルに合ったルートを確認できます。
みんなと同じことをする必要はない
夏休みは、周りの受験生や学校・塾のアドバイスに流されやすい時期です。でも全体に向けたアドバイスが自分に当てはまるとは限りません。志望校の配点や今の実力から、自分にとって一番効率のいい勉強を選びましょう。この考え方は得意科目を伸ばすか苦手科目を克服するかで詳しく解説しています。
浪人生は夏だからと気張らない
浪人生の場合は話が違います。夏だからといって何も気にせず、今まで通りの平凡な勉強生活を送ることが一番重要です。
「夏は天王山だから」と急にペースを上げたり特別なことをしたりすると、メンタルが崩れてしまいます。浪人生にとって大事なのは、夏に何かを一気に伸ばすことではありません。1年間を走り切ることのほうが重要です。夏もいつも通りのペースを守りましょう。
よくある質問
高1の夏休みに1〜2時間で足りますか
数学と英語を着実に進められていれば足ります。高1の目標は、数学と英語をしっかり終わらせることです。時間を増やすことより、毎日続けて範囲を先に進めることを意識してください。
高3の夏に過去問を解くのは早すぎますか
一概には言えません。基礎が固まっているなら、夏から解き始めて20年分ぐらいやるのもありです。基礎が固まっていないなら、過去問より先に基礎を固めるべきです。
高3の夏の計画はどのくらい細かく立てればいいですか
志望校の過去問を見て、そこまでの距離から逆算できていれば十分です。大事なのは計画の細かさより、1か月実行し切ることです。やり切った経験が、秋以降も計画を立てて実行する勉強の形になります。
高2までに範囲が終わっていない場合はどうすればいいですか
高3の夏までに終わらせることを最優先にしましょう。範囲が終わっていないまま過去問や応用問題に手を出しても伸びにくいです。まず網羅系参考書で残りの範囲の典型問題を押さえてください。
まとめ
理想は高1・高2のうちに大体の範囲を終わらせることです。高1は数学と英語、高2はそれに加えて5科目をそれなりに固めます。夏休みの1日の勉強時間は、高1で1〜2時間、高2で2〜3時間ぐらいが目安です。高3は勉強できるだけするべきで、本当に大事なのは何をやるかです。志望校から逆算した計画を1か月実行して勉強の形を作りましょう。浪人生は夏だからと気張らず、1年を走り切ることを優先してください。
数学と英語を中心に、範囲を先に終わらせることを優先します。
志望校を固め、過去問を見て逆算した計画を1か月実行し、勉強の形を作ります。
過去問より先に、網羅系参考書で基礎を固めます。
志望校の過去問に早めに取り組み、傾向と対策を立てるのもありです。
夏だからと気張らず、いつも通りの勉強生活を続けて1年を走り切ります。
「夏は過去問」のような全体向けのアドバイスに流されず、今の自分に一番必要な勉強を選びましょう。
受験診断ドットコム