京大化学は傾向が20年ほどほとんど変わっていない科目です。毎年のように出る分野がはっきりしているので正しい教材で頻出分野を固めれば確実に得点源にできます。この記事では京大に合格した筆者が本番の解き方と頻出分野の対策・使った教材と講座を紹介します。
京大化学の形式と配点
京大の理科は2科目を180分で解きます。化学は例年すべて記述式で、理論・無機が2題・有機が2題(うち1題は天然高分子)という構成です。有機が約半分を占めます。
| 学部 | 理科の配点(2科目) | 二次の総点 |
|---|---|---|
| 理学部・医学部医学科 | 300点 | 975点・1000点 |
| 工学部(物理・化学必須) | 250点 | 800点 |
| 総合人間(理系)・薬・農・医学部人間健康科学科 | 200点 | 700〜750点 |
2026年度は化学問題Ⅰが結晶格子と鉛蓄電池・電気分解、Ⅱが吸着平衡と化学平衡、Ⅲがアセタールの構造決定と鏡像異性体、Ⅳが糖脂質でした。
最初は難しい。でも慣れれば得点源になる
京大化学には普通の参考書に載っているような問題が少なく、長い問題文の読解や思考力が試されます。最初はかなり難しく感じるはずです。
ところが過去問を10年分・20年分と解いていくと嫌でも慣れてきます。京大は毎年飽きもせずずっと同じ傾向で出題しているので、慣れてしまえばむしろ得点源になる科目です。予備校の講師によると京大化学の得点は満点近く取れる人と0点近い人に二極化するそうです。しっかり対策すれば点がついてくる科目なのでぜひ頑張ってください。
本番の時間配分と解く順番
筆者は生物と化学の組み合わせで受験し、180分のうち生物に1時間15分・化学に1時間45分を使っていました。
化学は全部を解ききれない前提で解ける問題から片っ端に解いていきます。最初に有機を20〜30分かけて必ず完答し、次に平衡を20〜25分かけて必ず完答する。有機と平衡はほぼ毎年出ていて徹底的に対策してきたので、この2つは絶対に取ると決めていました。結晶格子もほぼ毎年出る分野なので対策しておきます。
対策の全体像
- 基本知識を確認する:標準問題精講やセミナーなどで高校化学の知識に穴がないようにする
- 過去問を問題集のように解きまくる:京大入試詳解25年で分野ごとに過去問を解く
- 石川正明先生の本で原理を固める:特に平衡は原点からの化学と新理系の化学で
- 共通テスト後は予想問題集だけを解く:駿台の実戦模試演習
過去問は京大入試詳解25年を問題集として使う
京大化学の対策の中心は駿台の『京大入試詳解25年 化学』です。京大の化学25年分が入っていて、筆者の知る範囲では石川正明先生が中心になって書いています。
筆者はこの本を時間も計らず問題集のように解きまくりました。年度ごとに収録されているので分野ごとに抜き出して使います。有機をやりたいなら大問3だけを5年分、高分子をやりたいなら大問4だけを5年分まとめて解くといった使い方です。
解説がとても丁寧で過去問の解説とは思えないほど体系的に書かれています。基本的な知識があれば十分取り組めますし、京大志望でなくても参考書として使っていいと思えるほど優れた本です。過去問を直前まで取っておかずに早くから使うべき理由は予想問題集の記事で解説しています。
平衡:公式を叩き込み導出もできるようにする
第2問を中心に毎年のように出る平衡では、近似式などの公式をとにかく頭に叩き込みます。公式の導出過程もよく問われるので自分で導けるようにしておく必要があります。
特に身につけるべきなのは電気的中性の式と物質収支の式を立て、連立方程式を近似して解くやり方です。教科書や一般的な参考書にはほとんど載っていない大学寄りの解き方で、2025年度にもこの式を書かせる問題が出ました。
このやり方が載っているのは石川先生の『原点からの化学 化学の理論』と『新理系の化学』、駿台の夏期講習「化学特講Ⅰ(計算問題)」です。筆者は原点からの化学を使い、新理系の化学を辞書がわりに使っていました。化学特講Ⅰや原点からの化学の講座も少し受けています。石川先生の本の詳しい使い方は石川正明の化学参考書まとめで紹介しています。
有機と高分子:過去問と有機化学演習で
有機の構造決定は京大らしく非常に複雑な構造が出ます。構造決定の基本は構造決定問題の要点・演習の記事で紹介している本で固め、あとは過去問で京大の出し方に慣れていきます。
高分子はやはりかなり難しい分野です。高分子の問題も入っている駿台の『有機化学演習』で演習量を補うのがおすすめです。筆者は駿台の冬期講習の京大化学(有機・高分子・無機をまとめた講座)の問題も解きました。ただその講座のテキストも基本は京大の過去問の寄せ集めなので、結局は過去問をしっかりやることに行き着きます。
共通テスト後は実戦模試演習だけを解いた
駿台の『実戦模試演習 京都大学への理科』は過去の京大実戦模試の問題を集めた予想問題集です。筆者の知る範囲では化学には石川先生が毎年関わっていて、その研究の集大成と言ってもいい問題が詰まっています。
直前期の演習にはもちろん、直前でなくても問題集として使えます。筆者は共通テストが終わってからはこの本しか解いていません。前年度版と最新版を両方買うと収録回数を増やせる点は予想問題集の記事で紹介しています。
駿台の京大対策講座も使える
駿台生でなくても受けられる高3生向けの京大対策講座もおすすめです。
- 京大合格セミナー:10〜12月に映像で受講でき期間中は何度でも見直せる。化学の映像授業は筆者が受けた2年とも石川先生だった(今年度の担当は要確認)
- 京大本番実戦テスト:直前期の1〜2月に本番と同じ時間割で解いて採点してもらえる。解説授業は映像で、自宅受験もできる
日程と料金は年度によって変わるので駿台の京大合格までのロードマップで確認してください。東大にも同じ形の東大本番実戦テストがあります。
まとめ
- 京大化学は傾向が20年ほど変わらず有機・平衡・結晶格子がほぼ毎年出る
- 本番は有機と平衡を最初に必ず完答する
- 京大入試詳解25年を時間を計らず分野ごとに問題集として解きまくる
- 平衡は電気的中性と物質収支の式を立てて近似で解くやり方を石川先生の本で身につける
- 高分子は有機化学演習で補い、共通テスト後は実戦模試演習に絞る
基本的には過去問と石川先生の本を信じれば京大志望は救われます。化学全体の参考書ルートは化学の勉強法の記事で解説しています。
この記事で紹介した本
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