「総合的研究」は旺文社の参考書レーベルです。長岡亮介先生の大著『総合的研究 数学』から始まり、公式や解法を覚えるのではなく数学を本質から理解するという姿勢を受け継いだ本が並んでいます。この記事ではシリーズの数学の本を全冊紹介し、どれから読めばよいかまで整理します。
シリーズ一覧
| 書名 | 著者 | 刊行 | 何を鍛える本か |
|---|---|---|---|
| 総合的研究 数学I+A/II+B/III | 長岡亮介 | 絶版 | 数学全体を本質から理解する |
| 論理学で学ぶ数学 | 長岡亮介 | 2017年 | 論理を道具として使う |
| 記述式答案の書き方 | 﨑山理史・松野陽一郎 | 2018年 | 答案を書いて伝える |
| 数学I・A/II・B 記述式答案の書き方問題集 | 松野陽一郎 | 2020年 | 答案作成の実践練習 |
| 問題文の読み取り方 | 古賀真輝 | 2021年 | 問題文の論理を読む |
| 公式で深める数学I・A/II・B | 松野陽一郎 | 2021年 | 公式の意味を理解する |
原点:総合的研究 数学I+A/II+B/III(長岡亮介)
レーベルの原点となった講義形式の大著です。公式や定理がなぜ成り立つのかを定義から説明していく姿勢が全編に貫かれていて、パターンを覚えて周回する参考書とは対極にあります。
東進wikiでも、東進の講座「数学の真髄」や「数学ぐんぐん」の予習や補助の教材として繰り返し勧められています。残念ながら現在は絶版です。詳しくは絶版になってしまった神参考書3選で紹介しています。
論理学で学ぶ数学――思考ツールとしてのロジック(長岡亮介)
原点と同じ長岡亮介先生による1冊で、数理論理学の記号と方法を使って高校数学や入試問題を捉え直します。知っているつもりだった数学が、論理の道具を通すと違って見えてくる構成です。
同値変形や「すべての」「ある」の扱いを根本から理解したい最難関志望者向けで、シリーズの中で最も高度な本です。
問題文の読み取り方――数学I・A・II・B(古賀真輝)
問題文の論理構造を読み取って、適切な解答につなげる力を鍛える本です。前半の約100ページで高校数学を基礎からおさらいし、後半では次の順に進みます。
- 数学の文章とはどのようなものか
- 数学の「文法」にあたる論理
- 数式や記号などの語句・命題や条件などの文章
- 問題文の読み取り方・図やグラフ
- 入試問題への応用練習
解き方は知っているのに何を聞かれているのか分からない、という人に向いています。
公式で深める数学I・A/II・B――公式の意味がわかれば数学がわかる(松野陽一郎)
著者の松野陽一郎先生は京都大学理学部(数学専攻)を卒業し、同大学院修士課程を修了して開成中学校・高等学校で教えている先生です。I・Aは14個、II・Bは11個の公式に絞り込んだ「超」公式集で、基本的だが深い理解が必要な公式だけを扱います。
たとえば平方完成を単なる作業ではなく公式として理解し、そこから2次関数・2次方程式・2次不等式を組み直すような構成です。公式の意味が分からないまま使っている人が、シリーズで最初に読む1冊としておすすめです。
記述式答案の書き方と問題集(﨑山理史・松野陽一郎)
『記述式答案の書き方――数学I・A・II・B』は、数学的に正しい考えを文章にして採点者に伝える方法を一通り学べる本です。答案の書き方の基礎から、答案を書くときに注意すべきことまでまとめられています。なお一部の書店では取扱不可となっているので、入手できるか事前に確認してください。
『数学I・A 記述式答案の書き方問題集』『数学II・B 記述式答案の書き方問題集』は、本編で学んだ書き方を実際の問題で練習するための2冊です。
二次試験の記述で、論理の飛躍や書き漏れによる減点が多い人に向いています。
どの順番で読むか
基本の順番は次のとおりです。
- 公式で深める数学I・A/II・B
- 問題文の読み取り方
- 記述式答案の書き方(+問題集)
- 論理学で学ぶ数学
悩みがはっきりしている人は、その悩みに合う本から読んで構いません。
| 悩み | 最初に読む本 |
|---|---|
| 公式を覚えているだけで意味が分からない | 公式で深める数学 |
| 問題文で何を聞かれているのか分からない | 問題文の読み取り方 |
| 記述の答案で減点が多い | 記述式答案の書き方 |
| 同値変形や論証を根本から理解したい | 論理学で学ぶ数学 |
向いている人・向いていない人
- 時間をかけてでも数学を理解し直したい人
- 難関大の記述式の試験を受ける人
入試直前で即効性を求める人には向きません。典型問題の演習量を増やしたい段階なら、網羅系参考書や問題集を優先しましょう。
本質から理解する数学に興味を持った人は、同じ考え方を講義で学べる東進の数学講座や「数学の真髄」シリーズもあわせて読んでみてください。
この記事で紹介した参考書
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