旺文社の問題精講シリーズの生物は、入門・基礎と標準・上級で著者が違います。標準問題精講と上級問題精講は石原將弘先生の系統の本です。この記事では標準・上級の2冊について、レベル・使う時期・どんな人が使うべきかを京大生が解説します。結論から言うと、標準問題精講は生物で高得点を狙う難関大志望の強力な選択肢、上級問題精講は京大・阪大(と東大)志望が満点を狙うための本です。
| 標準問題精講〈七訂版〉 | 上級問題精講 | |
|---|---|---|
| 著者 | 石原將弘・山下翠 | 石原將弘 |
| 発売 | 2024年2月 | 2026年7月(旧『思考力問題精講』を改訂・改題) |
| 価格 | 1,650円 | 1,760円 |
| 構成 | 「精講」→「解説」の2段階。問題は取り外せる別冊 | 48題を初級・中級・上級・最上級の4編に収録 |
| おすすめの人 | 旧帝大・医学部・早慶理系などで生物を使う人 | 京大・阪大志望(東大志望も可) |
上級問題精講は2026年7月に『思考力問題精講』を改訂して書名を変えた本です。筆者が使ったのは改題前の思考力問題精講です。なお入門問題精講と基礎問題精講(大森徹)は著者が違うので、この記事の評価は当てはまりません。
標準問題精講:解説がとても論理的
多くの大学では必須ではない
前提として、多くの大学では標準問題精講を解かなくても生物で合格点は取れます。セミナー生物を完璧にすればすぐに過去問に入れます。ただ過去問で高得点を取りたいなら、プラスアルファの問題集として標準問題精講はとても強力な選択肢になります。
筆者が使ったのは過去問を5〜10年分ほど解いたあとです。知識はわかっているのに考察問題で点を取り切れないと感じた段階で手を出しました。
良いところ:論理的な解説
生物の受験参考書には解説が微妙なものが多いのですが、この本は解説がすばらしく論理的です。資料や実験を扱う考察問題を解くうえで解説がとても参考になります。同じように論理的な解説を書く先生としては、駿台の佐野芳史先生(『佐野芳史・河崎健吾の生物[生物基礎・生物]解法研究』)もおすすめです。
特に良い章:遺伝を確率で教える
日本の生物では遺伝を表や割合を使って解かせることが多いのですが、遺伝の本質は確率です。アメリカで広く使われている教科書『キャンベル生物学』も遺伝を確率で教えています。確率で教えたほうが絶対にわかりやすいので、遺伝を確率で解説している標準問題精講はエッジが効いていて好きな本です。
レベルと対象
東大・京大の問題もちらほらありますが、中心は旧帝大や国立大の記述問題です。記述問題が多く出る大学の対策に向いています。
対象は旧帝大や医学部などの難関大、早慶の理系を目指す人です。二次で生物を使う人は手を出してみてよいと思います。ただしセミナー生物をしっかりやってあることが前提です。
使い方
- 田部の生物合格77講を横に置いて併用する
- 問題数は100問強なので1日3問で1か月ほど。1日3問なら1時間あれば終わる
- 考察問題なので何回も繰り返す本ではない。解けなかった問題を解き直す形で2〜3周すれば定着する
上級問題精講(旧思考力問題精講):京大・阪大志望が満点を狙う本
おすすめできる大学ははっきりしている
筆者が思考力問題精講を解いたのは浪人の最後のほうです。過去問を解き終わってやることがなくなったのでやってみました。
この本をおすすめできる大学ははっきりしていて京大と阪大です。東大も手を出してよいくらいで、それ以外の大学の志望者は基本的に手を出さなくてよいと思います。思考力問題精講のときは掲載問題の7〜8割が京大・阪大と一部の東大の問題でした。京大や阪大の難しい考察問題で満点を狙う人にとってはエッジが効いた良い参考書です。
問題数もそれほど多くないので、数学の難しい参考書などと比べればオーバーワークを恐れる必要はありません。
レベル:とにかく難しい
上級問題精講はとても難しい本です。生物オリンピックなどに取り組んでいる人でもかなり難しいと感じるレベルの問題がたくさん載っています。京大や阪大の過去問から難しいものをピックアップしている印象です。
手を出す目安は、過去問で7〜8割取れていて冠模試で偏差値60を超えている人です。標準問題精講も過去問も終わってやることがないという段階で使いましょう。オーバーワークをそれほど恐れる必要はありませんが、自分の足元が固まっていない可能性はきちんと考えたほうがよいと思います。
思考力を極めるなら上級問題精講が最強
生物を極めると言ったときには、知識を極める方向と思考力を極める方向の2つがあります。旧帝大などの国立大を目指すなら上級問題精講で思考力を極めるのが良いパターンです。上級者向けの問題集はほかにもいろいろありますが、思考力の解説にかけては石原先生の解説がいちばんで、結局この本が最強です。
ほかの大学の過去問を解くのもあり
上級問題精講の代わりに志望校以外の過去問に手を出すのも1つの手です。京大志望なら阪大や東大、東大志望なら京大や阪大の過去問を解いてみましょう。
特に駿台の東大の青本(東大入試詳解)は解法研究を書いている佐野先生が書いていて、思考力を問う問題の解説が論理的です。京大志望の人にもぜひ使ってほしい内容です。京大の青本は大森徹先生などが書いていて、こちらもおすすめです。
早慶・医学部志望は知識を極めすぎない
早慶や医学部、特に私立の医科単科大学を目指す人は知識を極めることが大事になります。ただ知識を極めるのはほどほどにしておくのがおすすめです。難しい知識を極めても点数の上がり幅はたかが知れています。英語や数学、化学などほかの科目に時間を使ったほうが生産的です。
まとめ
- 生物の問題精講は入門・基礎と標準・上級で著者が違う。標準・上級は石原將弘先生の系統
- 標準問題精講:多くの大学では必須ではないが、過去問で高得点を狙うなら強力。解説が論理的で遺伝を確率で教える
- 標準問題精講の対象は旧帝大・医学部・早慶理系。セミナーをやってあることが前提で、77講と併用して1日3問・1か月
- 上級問題精講:京大・阪大(と東大)志望が考察問題で満点を狙う本。生物オリンピック経験者でも難しいレベルなので、過去問で7〜8割・冠模試で偏差値60超えが目安。ほかの大学の過去問を解くのもあり
- 早慶・医学部志望は知識を極めすぎず、ほかの科目に時間を回す
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