「1対1対応の演習」は、『大学への数学』で知られる東京出版の定番問題集です。網羅系参考書の次にやる本として名前がよく挙がりますが、いつから始めればいいのか、何周すればいいのかで迷う人も多い本です。この記事ではレベル・使い方・周回の目安・次にやる問題集までをまとめて解説します。

この本の基本情報
出版社東京出版(大学への数学 編集部)
現行版三訂版(新課程対応)
巻構成数学Ⅰ/数学A/数学Ⅱ/数学B/数学C/数学Ⅲの6冊
レベル教科書の応用〜入試の標準
向いている時期網羅系参考書を一通り終えたあと

1対1対応の演習とはどんな本か

1対1対応の演習/数学Ⅰ(三訂版)の表紙

名前のとおり、各テーマに「例題」とそれに対応する「演習題」が1題ずつ、1対1でセットになっている問題集です。例題で解き方の考え方を学び、すぐに対応する演習題で同じ考え方を自分で使えるか確かめる、という流れで進みます。

現行の三訂版は新課程に対応していて、数学Ⅰ・A・Ⅱ・B・C・Ⅲの6冊に分かれています。数学Ⅲは極限・微分法・積分法を扱い、ベクトルや複素数平面・式と曲線は数学Cの巻に入っています。

解説は簡潔ですが、なぜその解き方を選ぶのかという方針の部分がしっかり書かれているのが特徴です。網羅系参考書で覚えた解法を、入試問題でどう使えばいいかをつなぐ役割を果たします。

レベル:網羅系参考書の次の1冊

扱う問題は教科書の応用から入試の標準レベルが中心で、例題には実際の入試問題も多く使われています。青チャートやFocus Goldの例題を一通り解けるようになった人が、次に取り組むのにちょうどいい難しさです。

網羅系参考書をやっていなくても、教科書の例題が解ける人ならぎりぎり手が出せるレベルです。網羅系の代わりとして使う人もいます。ただ解説がやや難しめなので、不安がある人は網羅系か、東京出版の『プレ1対1対応の演習』という橋渡し用の本から始めると安心です。

いつから始めるか

  • 現役生:その分野の網羅系参考書の例題を終えたら、分野ごとに始めてよい。高3の春〜夏に全巻を一通り終えるのが目安
  • 難関大志望の高2:授業で習った分野から並行して進めると、高3の夏以降に過去問へ早く移れる
  • 共通テストのみの人:基本的には不要。共通テスト対策の問題集を優先する

使い方:例題は「方針」を言えるようになるまで

  1. 例題を自力で解く。10〜15分考えて方針が立たなければ解説を読む
  2. 解説を読んだら、なぜその方針を選ぶのかを自分の言葉で説明できるか確認する
  3. すぐに対応する演習題を解き、例題の考え方を使えるか試す
  4. 解けなかった例題と演習題に印を付け、2周目以降はその問題だけを解く

大事なのは、答えを覚えるのではなく「この条件があるからこの方針」という判断の理由を覚えることです。演習題が解けたかどうかが、その判断が身についたかの確認になります。

何周やるべきか

目安は3周です。1周目で全問に取り組み、2周目は印を付けた問題だけ、3周目は直前期に方針だけを確認する形で回します。問題を見た瞬間に方針が言える状態になれば、その巻は完成です。周回の考え方は参考書の周回数の記事でも詳しく解説しています。

向いている人・向いていない人

向いている人
  • 網羅系参考書を終えて、入試問題で手が止まる人
  • 旧帝大・難関私大レベルを目指す人
向いていない人

網羅系参考書の例題が身についていない人や、解説を細かく読み込みたい人には向きません。解説が簡潔なぶん、行間を自分で埋める力が求められます。

次にやる問題集

  • 真・解法への道/ハイレベル数学の完全攻略:難関大レベルの典型問題を身につける本。難関大を目指すなら1対1の次はこのどちらかがおすすめ(紹介は真・解法への道の記事)
  • 新数学スタンダード演習:同じ東京出版の難関大レベルの演習書。力はつくがレイアウトが見づらく解説も簡潔なので、勧められる人は限られる(比較は1対1対応の演習と新数学スタンダード演習の比較で解説)
  • 良問プラチカ:入試の典型〜標準問題で演習量を確保したい人向け
  • 志望校の過去問:1対1を3周終えたら過去問に移ってよい

よくある質問

1対1対応の演習だけで難関大に受かりますか?

旧帝大の標準問題までならかなり戦えますが、東大・京大・医学部などの最難関では、このあとに演習書や過去問での実戦演習が必要です。

全巻やる必要はありますか?

文系は数学Ⅰ・A・Ⅱ・B・C(ベクトル)、理系はそれに数学Ⅲと数学Cの残りを加えた範囲が基本です。得意分野は飛ばし、苦手分野の巻を優先しても構いません。

この記事で紹介した参考書

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