「やさしい理系数学」は、名前に反して難関大レベルの問題が並ぶことで有名な河合出版の問題集です。本当にやさしいのか、いつから始めればいいのか、と迷う人に向けて、この記事ではレベル・特徴・使い方を解説します。
| この本の基本情報 | |
|---|---|
| 出版社 | 河合出版 |
| 著者 | 三ツ矢和弘 |
| 現行版 | 三訂版(2013年発売) |
| 問題数 | 例題50題・演習問題150題 |
| レベル | 難関大の入試標準〜やや難 |
やさしい理系数学とはどんな本か
理系数学の入試で重要な典型問題を厳選した問題集です。例題50題と演習問題150題で構成されていて、最大の特徴は解答に標準的な解法だけでなく多数の別解が示されていることです。1つの問題を複数の角度から解くことで、発想の引き出しを増やせます。
本当に「やさしい」のか
やさしくはありません。収録されているのは難関大の入試で出題された標準〜やや難の問題が中心で、網羅系参考書を終えたばかりの人が手を出すと、ほとんど解けずに終わることもあります。
「やさしい」の意味は、問題が易しいことではなく、難しい問題を分かりやすく解説しているという意味だと考えるのが適切です。実際の難しさは、1対1対応の演習や標準問題精講を終えたあとに取り組むレベルです。
いつから始めるか
目安は1対1対応の演習や標準問題精講などの標準レベルの問題集を終えたあと、高3の夏〜秋です。志望校の過去問に入る前後の仕上げとして使うのが効果的です。
なお三訂版は2013年の発売で、新課程に合わせた改訂はされていません。ベクトルや複素数平面など単元の区分が今の教科書と違う部分はありますが、扱う考え方そのものは今の入試でもそのまま通用します。
使い方:別解こそが本体
- まず自力で解く。1題に20〜30分かけて構わない
- 解けた問題も解けなかった問題も、解答のすべての別解を読む
- 自分の解き方と各別解を比べて、どの条件に注目すればその解き方を思いつくのかを考える
- 気に入った別解は、何も見ずに自分で再現できるか確かめる
この本は1題解いて終わりにすると価値が半分になります。別解を比べて「この問題はこう見ればこう解ける」という視点を増やしていくことが、この本を使う一番の目的です。
何周やるべきか
例題50題は2〜3周、演習問題150題は1周+解けなかった問題の解き直しが目安です。問題数が多いので、すべてを完璧にするより、別解を通して発想の幅を広げることを優先しましょう。
向いている人・向いていない人
- 標準レベルの問題集を終えた難関大志望の理系受験生
- 1つの解き方に固執しがちで、発想の幅を広げたい人
網羅系参考書や標準レベルの問題集を終えていない人には難しすぎます。難易度の目安は難しすぎる参考書の記事もあわせて参考にしてください。
前後に使う本
よくある質問
文系でも使えますか?
理系向けの本なので、数学Ⅲの問題が多く含まれています。文系は『文系の数学 良問プラチカ』などを選ぶ方が効率的です。
1対1対応の演習とどちらを先にやるべきですか?
1対1対応の演習が先です。やさしい理系数学は1対1で身につけた解法を、より難しい問題と別解で磨くための本です。
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