「解き方は分かるのに計算で間違える」「計算に時間がかかって最後まで解き終わらない」。そんな人に最初に勧めたいのが、広瀬和之先生の「合格る計算」です。この記事ではレベル・特徴・使い方・周回の目安を解説します。
| この本の基本情報 | |
|---|---|
| 出版社 | 文英堂 |
| 著者 | 広瀬和之 |
| 巻構成 | 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B[数列]・C[ベクトル](2024年)/数学Ⅲ・C[複素数平面・2次曲線] |
| 構成 | テーマごとに例題→類題 |
| レベル | 計算の基礎〜入試で差がつく計算 |
合格る計算とはどんな本か
入試で必要な計算を速く正確に処理するための方法を学ぶ参考書です。各テーマはまず「例題」で計算のコツを示し、続く「類題」で演習して定着させる構成になっています。
特徴的なのは、よく使われがちな誤った計算方法と正しい計算方法を並べて比較している点です。自分がふだんやっている計算のどこが遅く、どこでミスが起きやすいのかに気づけます。単純な計算ドリルではなく、計算の工夫そのものを教えてくれる本です。
レベル:基礎から入試の重い計算まで
数学Ⅰ・A・Ⅱ・B・Cの巻は基礎的な計算から始まりますが、類題には入試レベルの難しいものも含まれます。数学Ⅲ・Cの巻は基本的な計算から、回転体の体積や速度・道のりを含む積分まで幅広く扱います。
なお典型的な解法を網羅する本ではないので、解き方そのものは網羅系参考書で身につける必要があります。
なぜ計算力が大事なのか
受験数学では、方針は正しいのに計算ミスで失点するケースが想像以上に多くあります。特に数学Ⅲの微積分は計算の量が多く、計算の速さと正確さがそのまま得点に直結します。計算力の重要性は受験数学は計算力で決まる?計算ミスで15点差不合格だった京大生が教える計算力の鍛え方でも詳しく解説しています。
いつから始めるか
- 計算ミスが多い・計算が遅い人:気づいた時点ですぐに。網羅系と並行して進めてよい
- 理系の受験生:数学Ⅲ・Cの巻は、数学Ⅲの微積分を一通り習ったらほぼ全員におすすめ
- 計算に不安がない高1・高2:時間に余裕があるうちに読んでおくと、高3での演習が楽になる
使い方:例題の「工夫」を自分の計算に移す
- 例題をまず自分のやり方で計算してみる
- 解説の計算方法と比べ、どこで手間やミスの原因が生まれているかを確認する
- 解説の方法で例題をもう一度計算する
- 類題を解説の方法で解き、その計算方法を自分のものにする
大事なのは、ふだんの問題演習でもここで学んだ計算方法を意識して使うことです。本の中だけで終わらせず、網羅系参考書や過去問を解くときにも同じ工夫を使うことで、計算力は確実に上がっていきます。
なお本書は暗算を勧める箇所も多くあります。暗算でミスが増えると感じる人は、無理に暗算せず途中式を書いて確実さを優先しましょう。
何周やるべきか
目安は2〜3周です。1周目で全テーマに目を通し、2周目以降は自分が間違えた類題と、知らなかった工夫が載っていたテーマだけを解き直します。計算の工夫が無意識に出てくるようになったら完成です。
向いている人・向いていない人
- 方針は立つのに計算ミスや時間切れで点を落とす人
- 数学Ⅲの微積分の計算に時間がかかる理系の人
まだ習っていない分野の計算を、この本で初めて学ぶのには向きません。授業や網羅系参考書でその分野を一通り学んでから使いましょう。
あわせて使う本
- 網羅系参考書(青チャート・Focus Goldなど):解き方は網羅系で身につけ、計算は合格る計算で磨く(Focus Goldの使い方)
- 合格る確率:同じ広瀬和之先生による、場合の数・確率の考え方を根本から整理する本
よくある質問
計算ドリルとは何が違いますか?
計算ドリルは同じ種類の計算を繰り返して慣れる本ですが、合格る計算は計算の手順そのものを工夫して速く正確にする方法を教える本です。
文系でも使えますか?
数学Ⅰ・A・Ⅱ・B・Cの巻は文系にも使えます。数学Ⅲ・Cの巻は理系向けです。
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